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わしは片足を下に座った
家製のスープを両手に抱え
愚かな長持ちのお話
なかに老人が金を隠した
   彼はしまり屋
わしの右側で騒ぐのは
寂しがり屋のゾウ
寂しがり屋のゾウ。
何故騒ぐ?なにゆえ騒ぐ?
酔いを醒ましてわしはやつに聞いた
わしはお前の敵だ、わしはスープだ、わしは大公だ。
長きに渡ったゾウの騒音は鳴りをひそめた
手の中で家族のスープが冷たくなる。
空腹でわしは涎をたらす
昼飯に金を遣うには
わしはしまり屋すぎる
どうせ買うなら一組の
スエードの手袋のほうがいい
金は貯めとくほうがいい
ガーリャ・Cと町境越えて
列車で森へ行くために。
             おしまい


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